理学療法士 杉山 京介
前回は世界保健機関が提唱する定義を例にとり、身体のみならず精神や社会的な健康についてお伝えしました。
今回は身体的な不調の中でも悩む人が多い、肩こりについて見ていきましょう。
肩こりが起こる原因は数10種類あると言われており、その中でも4大原因とされるのが、
・同じ姿勢
・眼精疲労
・運動不足
・ストレス
です。 このことから言えるのは、それぞれの根本、もとを辿ると全ての共通点は「生活習慣が原因」という点です。
それはなぜか?当たり前かもしれませんが、生まれたばかりの子どもには何も症状がなく、 後天的に現れてくる症状は全て、普段の生活において身体にとって好ましくない食事や行動をしていることが原因となるからです。
しかし、同様に後天的に現れた症状は生活習慣によって変えることができると言えます。
そのため、まずはご自身の生活習慣の中で今の症状が出ている原因が何か?に加え、どこに意識を置き、気をつけるべきか知ることから始めていきましょう。
では実際に、まず明日から何に気をつけていかなければいけないのか?をお伝えしていきます。
まず第一に「生活習慣を見直し、一つ一つ変えてみる」ことです。
生活習慣を正しく変えることができれば、今ある症状は改善方向に向かう可能性が高まります。
そのためにはまず「基礎代謝をあげること」が重要です。
基礎代謝が上がると「古い細胞が新しい細胞に生まれ変わる」スピードが速くなります。
そして、私たちの身体は全て細胞でできていることから、今抱えている身体の悩みも基礎代謝を上げることで解決できる可能性が高くなります。
以上を踏まえ、いくつかある基礎代謝を上げる方法の中で、今回は明日からできる簡単な2つの方法を挙げてみましょう。
水分補給によって全身の血流量が増え、血行が良くなり、基礎代謝の向上が期待できると言われています。
特に、白湯のような温かい飲み物で胃腸を温めると内臓の働きが活発になるため、冷たい水よりも白湯がおすすめです。
いかがですか?肩こりは生活習慣から発生するもの、生活習慣を変えていくには基礎代謝を上げていく、それには水分を多めに取るといったポイントをお伝えしました。
厚生労働省のホームページによると、体重60kgの成人男性が1日に必要な水分量は2.5Lと書かれています。そのうち食事から1L摂取し、体内で0.3L作られるため、1日に必要な「飲み水は1.2L」となります。
一見、1.2Lとみると多いと感じるかもしれませんが、コップ一杯が約200mlですので、6杯以上飲むとそれが満たされる計算になります。
人が起きている時間が平均約16時間ということを考慮すると、2時間に1回飲むペースとなります。そして、基礎代謝を上げるには必要量よりも少し多めに水分をとるようにするのがコツです。ぜひ明日から飲む量を意識するようにしましょう。
私たちの臓器の中では、主に筋肉、肝臓、脳でエネルギーを消費しています。肝臓や脳とは違い、筋肉は唯一運動によって増やすことができるので、基礎代謝を上げるには筋トレがおすすめです。
ですが、今日だけ、明日だけ、と短期間で筋肉を増やすことはできないのがまた、筋肉量を増やす難しさでもあります。そのため、筋トレは可能な範囲で少しずつ始めていきましょう。
例えば、スクワット10回、踵あげ10回、腹筋10回を1セットとします。これを週に2~3回おこないます。これくらいの負荷に慣れてきたら、徐々にそれぞれの回数を増やしていきましょう。
回数を増やすのは1つずつでも構いません。ではここで、より筋トレで効果的に基礎代謝を上げる3つのポイントは以下の通りです。
① 無理せず始めること
② 少しずつ回数や負荷をかけていくこと
③ お尻や太ももなど大きな筋肉を鍛えること
以上、「水分を多めにとる」「筋力トレーニングをおこなう」の簡単にできる2つの方法をお伝えしました。
水分量と筋肉量は基礎代謝を上げるためには必要不可欠なものになりますので、ぜひ無理のない範囲で少しずつ取り組んでいきましょう。それにより大きな基礎代謝向上が期待できます。
オールライフケア合同会社 提携パートナー
理学療法士 杉山 京介