1. TOP
  2. フリーエンジニアお役立ち情報
  3. ①大切な人財を守る真のメンタルヘルス対策とは?

SIA心のゼロ経営プロジェクト 山田 俊明

①大切な人財を守る真のメンタルヘルス対策とは

    世界的な経営課題になりつつある、コロナ後のメンタルヘルス対策

    先日、プロテニスプレーヤーの大坂なおみさんや元プロ野球のコーチ、また著名な女優さんの「うつ病」や「適応障害」が報道され、普段は健康そうに見えて「心の病」は別なのかと思われた方も多いかもしれません。
    実際、昨年2020年の後半以降、コロナ禍の影響もあり、うつ病患者は急激な増加傾向にあります。心療内科やメンタルクリニックは日々予約でいっぱいだそうです。
    鬱などのメンタル不調は、なかなか外部の人間からはわかりません。いつも普通に元気で「あの人は大丈夫」だと思っていた人が、実は心の不調を抱えていたというケースは非常に多いです。

    厚生労働省の統計によれば、日本のうつ病患者は約500万人と報告されており、医療機関に通院していない潜在的な患者を含めると、1000万以上いると推測されています。もはや、新たな「国民病」と言っても過言ではありません。
    また、WHO(世界保健機構)の調査では、世界のうつ病患者は3億2200万人以上と報告されており、さらにこのパンデミックの影響で今後も増加し続けると、「2030年にはうつ病が世界最大の疾病負荷になる」として、警鐘を鳴らしています。

    そんな中、世界中の企業経営者にとって、自分自身も含め、雇用する大切な社員のメンタルヘルス管理は、今後の重要な経営課題です。
    なぜなら、心の不調は、社内の人間関係を悪化させ、業務の生産性を著しく低下させ、結果的に大きな損失につながるからです。また、離職や休職による損失リスクも無視できません。

    一方、そうした状況に危機意識を持った日本政府や厚生労働省は2015年から、ストレスチェック制度を導入、産業医の設置などの対策を講じ始めたことで、多くの企業が「メンタルヘルス対策」や「健康経営」に取り組み始めました。
    ここ数年で、制度の導入や環境改善はかなり進み、一定の効果が出ているようにも見えますが、一方で、ストレスチェックでは全く問題なかったのに、数週間後、ある優秀な社員が突然うつ病を発症して、休職してしまったという事例や管理職のパワハラによる離職の相談などが増えてきています。

    もちろん、この背景には、新型コロナ感染の長期化や緊急事態宣言という社会的な影響もありますが、本当の原因は違う部分にあります。
    というのも、「人はそもそもなぜうつやメンタル不調になるのか?」この問いに対しての認識が専門家の間でも共有・統一化されていませんし、薬事を中心とする現在の対症療法では、一度寛解しても、再発してしまうケースが多く、出口の見えない問題になってきているのです。
    厚生労働省のホームページによれば、うつ病から一時的に回復しても60%の人が再発し、2度発症するとその後の再発率は70%、3度目以降の再発率は90%とされています。
    つまり、現在の治療法では「うつやこころの病を完全に治すことは難しい」いうことなのです。 

    しかし、企業や経営者の間でこの事実はあまり知られておらず、「もしうつ病になったらとりあえず休職して心療内科で薬の処方やカウンセリングをしてもらえば良い」と考えている方が非常に多いようです。

    いかがでしたか?世界のうつ病患者は3億人を超えており、とても他人事とは言えない数字となっています。

    そして、うつや心の病に対しての対処も薬事が中心であり、しっかりとした対策がなされていないというのが現状と言えますね。

    多くの人が知らない、うつや心の不調の「本当の原因」とは?

    では、どうすれば良いのか?この解決策をお伝えする前に、「人はなぜ、うつやメンタル不調になるのか?」を理解しておく必要があります。

    一般的には、職場での強いストレスやからだの病気、人間関係や環境の変化等さまざまな要因がきっかけとなり、脳で働く神経の伝達物質の働きが悪くなることで発病すると考えられています。

    でも、本当の原因は違うのです。

    これは、心の学校グループ創始者であり、30年以上、人間の心の仕組みを実証的に研究されている佐藤康行先生が発見されたことですが、人がうつ病になるには、「環境原因」と「根本原因」の大きく2つがあることが判明しました。

    環境原因とは、

    •      職場の人間関係
    •      リストラ・失業・倒産
    •      お金(収入低下・借金)
    •      家庭内不和
    •      事故(地震・コロナ)
    •      介護や病気      などが挙げられます。

    実は、これまでのメンタルヘルス対策は、この「環境原因」へのアプローチを主体としています。

    職場環境を改善したり、残業や長時間労働を減らしたり、いわゆる「働き方改革」がそうです。

    もちろん、その対策自体が間違っているわけではないのですが、もう一つの「根本原因」を解消しないと、こころの病は決して完治しないのです。

    では、根本原因とは何か?

    それは、人間の過去の記憶から出てくる「心のくせ(性格)」というものです。そして、その過去の記憶には、自分が経験した記憶だけでなく、親や先祖から受け継いだDNA(遺伝子)の記憶も含まれます。

    そして、その「心のくせ」が、環境要因によって引き起こされ、自己肯定感を著しく低下させ、結果的に自分を責めることで、うつ状態になっていくというのが、根本原因なのです。

     メンタル不調の根本原因を解消する「唯一の方法」とは?

    では、根本原因を解消するにはどうしたらよいのか?

    そのためには、「人間の心のメカニズム」を理解しておく必要があります。それが、「心の3層構造」(下図を参照)です。

    これも、先述の佐藤先生が30年前に発見・提唱された法則ですが、実は人間の心は3つの層から成り立っています。
    1つ目が、顕在意識(理性や感情)、2つ目が潜在意識(過去の記憶)です。

    これまでの心理療法(カウンセリング)や自己啓発プログラムは、この2つの層に対するアプローチで思考や潜在意識のマイナス部分をプラス思考に変えていくというものがほとんどです。
    筆者自身も、これまで様々な研修や講座を体験してきましたが、受講した後は、とても気分が良くなり、仕事のモチベーションが上がるのですが、また何かの環境の変化(例:仕事での失敗や人間関係の悪化など)が発生すると、また落ち込んでしまい、元に戻ってしまうのです。 

    私は、これを「インプット(知識)の限界」と呼んでいます。
    いかがでしょうか?人がうつ病などに陥ってしまうのは「環境原因」と「根本原因」といった2つの要素があること、そして回復には「根本原因」へのアプローチがとても大切ということでした。

    次回ですが、ではどのように根本原因に触れていけばいいのか?について見ていきましょう。


    オールライフケア合同会社 提携パートナー
    一般社団法人SIA心のゼロ経営プロジェクト
    代表理事 山田 俊明

    簡単60秒!無料登録して

    フリーランスになれるか相談する